今度は…

大学時代の友達が死んだ

携帯の着信番号が久し振りにそいつの名を表示していた。
なぜが胸騒ぎを抑えつつ受信ボタンを。

はじめて聞く女性の声で「ニャンコさんですか」と…
訃報を知らせる電話にやっぱりと思いながらもショックだった。

何年か前、ほんとに何十年ぶりに再会し、身体を壊している事を知っていた。

彼は病床で、万一の時は「ニャンコだけには必ず知らせてほしい」と言っていたとの事。

もう一度、また会おうなと別れたままだった事が悔やまれる。


人間関係を上手に構築出来ない男だった。
物にでも、異性にも、夢中になりすぎて周りの事が見えなくなる事がままある男だった。
実は頭の良い男だった。
道具というか、ツールを器用に使いこなす男だった。

奴はもういない。

  合掌