転校生の心に感じた小坂町

ニャンコの一家が入った社宅は俗に「役宅」と呼ばれた家で同じ住居名の区画でもちょっと離れたところにある5軒の社宅のひとつでした。
そこは戸建てが4棟と2軒長屋が一棟の6世帯があったのですが、この区域の先の少し坂を下りた所に4軒か3軒長屋が4,5棟ありました。
周りの役宅の子供はニャンコよりもだいぶ年上でした。で、その坂下の長屋の子供たちがニャンコよりも少し上の子供から少し下の子供達がいて、グループが出来上がっていたんですね。それを取仕切っていたのがだいぶ年長のガキ大将…ていうか、子供だったニャンコの目からはポパイの敵役「ブルート」のように見えましたが(笑)…でした。

小学校での地域ごとの行事やボランティア活動はこの少年グループと一緒の地区分けになります。
引っ越してきて、先ず最初に彼ら…というかそのリーダーの標的にされたようです。
彼らにとってはささいなからかいだったかもしれませんが…。

なんとか交流を計ろうとするのですが、まず言葉がよくわからないし、どうも下ネタらしい話を鼻水をたらしながら愉快そうに振って来る年下の子供達になんと応対して良いのかもわからずにいると、「都会から来たあいつは生意気だ」とかで反感を買ってしまったようです。

彼らの情報網はしっかりしているらしく、両親が不在の時などを狙って(勿論ニャンコが留守番だと知ってます)庭に石を投げ込む事を繰り返されたり、飼っていた犬を大きな声や足音をたてて脅かされたり。集団登校時や火の用心等の活動時には同じく後ろから小石をちょこちょこ投げられたと、子供心になんでこんな連中と我慢して関わっていなくてはいけないんだろうと小坂町の生活がいっぺんに真っ暗になりました。

当時のニャンコは身長もクラスで前から3番目から5番目位で、身体も細く華奢な子供でした。誰とケンカしたって勝てっこないし…。そんなニャンコもある日ついプッツンして、ちょっと年上のそのグループの中の子に石を投げ返してしまいました。彼らは自分達から仕掛けた事だったからか、その場は「何すんだ、こいつは!」で、ニャンコも何か言い返した様ですが、それで収まりました(と思ったのですが…)。